2008年9月4日木曜日

かもめ

前のシーズンでは見ることができなかった
現代演劇学校の『かもめ』を観劇

実は全く期待してなかったけど,良い意味で裏切られた。

演劇についての演劇であることを意識した演出で
こういった基礎がある遊び心をする舞台は私は好きです。

役者では一つが、トレープレフの役者の演技が、
怒りの表現がうまい割に愛情の表現が弱かったかなと思うくらい。

ニーナとマーシャについては、個性的な役者が演じていたので好き嫌いが出そう。
そういったイメージを壊すことも意味している野かもしれませんが…。

と雑談はこのくらいにして
舞台は写真で見ると分かるように、貫通型。
私はトレープレフの舞台の目の前という一番良い席で見たので
本当に目の前で演技が見られました。
一度、マーシャ役の人に挨拶されたし…と観客に対する台詞の投げかけもあったりする。

演出では最初のマーシャとメドヴェジェンコの場面が
いわゆる演技として行うことで始まります。
つまり、舞台上での演技ではなく、演技をしているという演技です。つまりメタ演劇。

そういった行為によって、トレープレフの舞台を
『かもめ』の中でさらに『かもめの中の役者の台詞』を演じるという
ことに使っているのが印象的でした。

他にはニーナの独白劇の部分が茶化されていて
非常に騒がしいものに変えられていた点も面白かったです。

こういった目立つ点以外にも
細かい部分、特にマーシャのトレープレフに対する愛情が
きちんと演じられていた点も良かった点の一つ。

『かもめ』を読んでくれているなぁと思えた舞台でした。
この劇場では、同じくボリス・アクーニンの『かもめ』も上演していて
こちらも観劇してみようと思わせてくれました。





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