2010年11月2日火曜日

『かもめ』(三原塾)@日暮里d倉庫




完全に道に迷い、ニーナの一人芝居辺りからの観劇。

キンダーのまいまいこと、秋元さんがマーシャ役で出演。

演出は完全なリアリズムで、変わった演出は無し。
そのため、完全に役者の演技にかかっていた舞台。

と、その前に気になったのが、翻訳。
聞いていて語尾が邪魔になった部分と
トゥイとヴゥイの使い分けをそのまま訳している部分があって
人間関係が奇妙に思われるてんがあったように思う。
正確といえば正確だけど、私だったら手を加えていた部分。

演技では、アルカージナが一番活き活きしていた感じ。
というか、周囲も巻き込むタイプの芝居。

ただ一人一人の場面は良かったものの、人と人の交わる部分は今一つだった印象。
特に第4幕のニーナとトレープレフは、もっともっと二人の過去と関係性を考えて欲しかった。
あと、ニーナの人の姿勢が時折気になる。
癖なのかもしれないけど、首だけで相手に近づくのは格好悪いので直した方が良いです。
もし気が付いていないのなら、一度誰かに見てもらって矯正するべき。

まいまいのマーシャは、演技の前にメイクと衣装が気になる。
確かにマーシャは黒服なんだけど、なんで日本の演出家は真っ黒にするんだろう。
もっと色合いアクセントを付けないと、精神的な暗さよりも、単純に見えにくくなってしまう。
そこら辺は杓子定規じゃなくて、臨機応変に対応してほしい。

いや、カモメの中で一番難しくて重要なのがマーシャだと私は思うのです。
なぜならば、登場人物の中で唯一誰かを愛している人だから。
(いや、誰かを愛している人として表現できると言った方が良いかな?)
彼女の愛情をどう表現するのかってところにこの役をもっと豊かにすると思う。

第4幕になぜマーシャがいるのか
なぜ帰らないのか
それが最後の場面まで続いていないといけない。
最後のトレープレフの自殺まで。

不満ではなく、まだまだ進む余地のあった舞台でした。

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