2008年6月21日土曜日

先輩の言葉

手のわろき人のはばからず文書き散らすはよし
見ぐるしとて人に書かするはうるさし

文才のない自分にとっては、励みになるお言葉。
そして、仕事の心構えを語ってくれている。

この手というのは、文字の上手さという解釈が一般的だけど
文才そのものと捉えれられるとも思う。

そういえば、チェーホフの作品に
パーティに参加しようとして男が会場に向かうのだけど
受付で名前を書く際に立ち止まって、なかなか書けないという凄い短い話がある。

最初は何のことやら全く分からなくて、どこが面白いんだろうと思っていた。
ところが、ある日札幌大学の大矢先生と話していて
昔の官僚は、字の上手さで出世が決まったということを知ったことで、やっと意味が分かった。

彼は自分の名前を名簿に書くことで、自分の字が下手だとばれてしまうから
書けなかったのである。

そんなことを思い出しながら、今日も更けていく

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