2008年11月9日日曜日

ピッコロ劇場モスクワ公演



先月末ミラノからピッコロ劇場がモスクワ公演を観劇してきました。
演目はゴルディーニのアルレッキーノ。
演出はジョルジュ・ストレーレルです。

この公演で目を惹いたのが、舞台上にゴルディーニが座っていて舞台を見ている部分。
フォメンコの三人姉妹でもありましたが、作家を舞台に乗せるという演出です。
また、役者全員が仮面を付けて演じ、舞台も舞台袖までが見えているという設定。
こうした演劇についての演劇ならぬ、演出についての演出をストレーレルが行っていたんだなぁと感慨深い

内容の方は、取り違えを中心としたドタバタ喜劇なのでイタリア語でしたが楽しくみれました。
ストレーレルの演出を自分の目で見られたことが、本当に良い経験になったと思います。

余談ですが、この舞台が始まる前にはスポンサーの挨拶なるものが。
パンフレットを見ると、ロシアとイタリアの銀行がズラリと並んでいて
次から次へと、銀行のお偉いさんが現れては話をして、
いつまで経っても終わらず、なかなか舞台が始まりません。
すると、観客席から盛大な拍手が起こり、スピーチをかき消すほどに・・・
いわゆる帰れコールが発生しました。

しかし、それでも銀行の人たちはスピーチを続けていたので、銀行の方も強者といえば強者です。

そういえば、今のモスクワではどの劇団にも銀行のスポンサーがついています。
演劇というものは、その形式ゆえに採算が合わないためです。
かつては国家の援助によって支えられていた劇場も、今では援助が削減され
銀行のスポンサー無しではやっていけません。
まぁ、スポンサーになってくれるだけ日本よりマシなんですが
色々と考えさせられます。

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