稽古2日目、ナズヴァノフの稽古がようやく始まる。
主人公は舞台装置を自分の家の稽古と同じように配置する。
相手役のシュストフは装置に興味はないようだった。
セリフは全部入っておらず、それに近い意味の言葉をいうことになった。
ここでは、作者の指示は私に窮屈な思いをさせるだけになった。
家で仕上げた段取り(ミザンセーヌ)は、実際の舞台を使った稽古では馴染まなかった。
家での稽古で行き詰まった時、場所を変えて小声で喋ると、再び前に進めた。
その経験をもとにナズヴァノフは、即興スピーチを役作りに入れるようになる。
その後、稽古場が大舞台に変わる。
ここで舞台装置による俳優の状態の変化、
そして、それに慣れていく俳優の意識
そこから生まれる受けようとする欲求までの流れに
参加者からため息と納得の声が漏れる。
私はまったく素通りした箇所だったので、
読書会を開いた意味があったと確信した。
自意識過剰にも思えるナズヴァノフだが、それだからこそ彼が主人公の意味があるのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿